◆県立病院総務事務システムの予算膨張と遅延:現場と本庁の意思疎通不足を指摘
総務事務システム開発で予算が当初計画の約3倍に膨れ、スケジュールも遅延。
発注段階からの病院現場との協議不足を指摘し、責任の所在と今後の改善策を明確化するよう求めました。
この件についてはこの質疑で初めて当局から「反省があった(課長)」と発言があったものの、組織としての対応には至っていません。
沖縄県議会 文教厚生委員会
2024 [令和6] 年3月21日
(きゆな智子) ずっと取り上げてきた総務事務システムの開発は、予算は次年度6000万円規模の計上をされる見込みです。
これまでのシステム開発の中で、当初の計画がずさんだったのではないか。そのあと予算も膨らみ、結果として事務担当のほうに相当な負担が行っている現状を指摘してきました。
院長先生方の予算特別委員会での質疑を見ますと(※1)、病院によっては事務方の負担を減らすために人も雇ってます。もともとの計画、予算がかなりずれている事業です。次年度も同じように進めていいのか疑問です。
今後どういう体制の下でこのシステム開発を行っていくのか。契約した当時から一体誰がこの事業の責任者であったのか。今の状況で何の責任もけじめもつかないまま、次年度もこのまま開発を進めていくのか。医師の働き方改革のためにやっている事業が事務方に過剰な負担が行っているこの現状を管理者として、どう考えているのか、この点をお尋ねいたします。
(※1)3月11日の予算審議
令和6年第1回沖縄県議会(定例会) 文教厚生委員会記録(第4号)[PDF]
(総務事務センター室長)
病院事業局では、令和3年度に策定した県立病院ビジョンに基づき事務執行の効率化、適正化等を図るため令和4年度に各病院の職員給与事務の集約化と併せて、知事部局の総務事務システムの導入を決定し調達しております。
病院総務事務システムは、全庁で共通利用する給与システムと連携、接続する必要があることから知事部局において安定的に運用されている総務事務システムを土台に病院事業局独自の勤務形態、手当、医師の働き方改革等に対応する追加改修を行うこととしております。令和5年度は病院現場の要望を踏まえ、勤務実績の見える化、ユーザーインターフェイスの開発の改善等の追加改修を行っているところです。
(きゆな智子)
予算が3倍近くになり事務方は病院現場で人も増え、スケジュールは後ろ倒し、事業としてこのまま次年度も同じペースで進めていいんでしょうか。そうすると、そもそもの発注、追加の予算、これを承認した責任というのをある程度けじめをつけていかないと、8月以降もし間に合わなかったら12月もそして1年後も同じ話をしているんじゃないでしょうか。そのときに誰が責任を取るんですか。
(病院事業総務課長)
委員の今回の御質問は、これまでとは異なった大きな視点からの御質問と受け取りました。
当然のことながらあらゆる施策事業、そして予算の判断は組織として行い組織として取っていくということです。
そして病院事業局の任命権者であり病院事業局長に最終的な責任が行き着くということです。ただ一人一人の職員が企画・立案を行い、そして中間管理職である課長等が施策の内容を吟味して今日に至っております。
ただ我々反省点がないかといいますと、当然反省点はございます。病院事業局ですね、これまでこの問題に限らず、総務課長としての考えといたしましては、病院現場とのコミュニケーションが必ずしも十分ではなかった、病院現場としっかり議論した上で、大きな事業を動かしてきたのかという考えは私としては持っております。
このシステムについても、事前の段階からもっと現場のニーズを聞いて、どこまでのレベルに持っていく必要があるのかということをしっかり議論して整理した上で、本番に臨めばもっと円滑な開発ができたというふうに考えております。
今後は当然、病院事業局は独立採算ではありますけれども、一部繰入金、当然税金も活用しながらの開発でございますので、現場との意見交換をしっかりと行い、そして本庁でもしっかり責任の体系の下、判断を行い今後適切な結論、そして病院現場に負担をかけないような支援を行いながら、8月を迎えてしっかり医師の働き方改革にも対応していきたいと考えております。
(きゆな智子)
答弁で「反省すべき点がありました」ということで、どの段階でこの予算が3倍近くにまで膨らんだ事業を見直し、止めることができたのかと。そこまで遡らないと。今、実際に組織で決めたシステムの遅れが、事務方のほうに負担が行っているのではないですか。この事務の負担も具体的な職員のどなたかが苦労されているわけですよ。自分たちが決めたわけでもない事業の負担をなぜ事務方が尻拭いかのようにやらなくてはいけないのかと。
この事業が発注から始まって1年以上続いてきた中で、どの時点で病院事業局として組織として、問題点を指摘して不正ではないとは思っているので、自浄作用という言葉が合っているのか分かりませんけれども、一旦このシステム開発の発注を止めて別のやり方と比較してみようというところがなぜできなかったのか。このままシステム開発を進めて事務方が相当に苦労を続けると職員の皆様の気持ちの持って行き場がないんじゃないか。もう仕方がなかったということでこのまま進めていくだけですか。
しかも今年の1月の監査で「不適切な契約だった」という報道もありました。これに対して病院事業局としてどういう答えを今お持ちなのか。どこかでこの契約に無理があったというところを反省しないと少し契約の進め方、事業の進め方としては適切ではなかったんじゃないかなと思いますけれども。局長が何かおっしゃりたいようなので、もしあれば。
(病院事業局長) 2つのことを一緒にして喜友名委員はおっしゃっているんだけれども、医師の働き方改革が今、問題になって、事務方の事務はほとんど軽減された。中部病院の事務部長がこの間来ていたので、本当は述べてもらったほうがよかったかもしれません。医師の働き方改革に関しては、どういうのでやろうが必ず医師の管理者がインターバルとかを見ないといけないんですよ、実際は。
結局はさっきから事務、事務とおっしゃるんだけれども、どの事務かと言ったら医師のほうは当然その負担は出てきます。でも今も紙でやっています。機械がはじき出すんです。数字を見てどの先生がと、分かりやすいシステムになるんです。
そのために令和4年から実は、病院事業局はそこを管理してもらわないといけないということで医療部長を増やしています。そういうのを考えながら実際のところ、私はやってはいるんですけれども。医師の働き方に関しては普通の事務職員が先生の働き方が正しいかどうかは、数字は分かりますけれども内容は確かめようがなく、これはドクターにしかできないです。これはドクターの負担にはなり、そのために県立病院は医療部長を増やしています。
(きゆな智子) そうすると事務職員の負担は、少なくとも病院事業局では増えてはいなくて、現場の病院では増えているという認識だと理解していいですか。
(病院事業総務課長)このシステム開発に関連して事務負担がどのようになるかというと、改めて申し上げますとまず病院現場です。
これまで病院現場においては、手当や年末調整の申請事務は各病院にいる給与担当者が個々の職員に代わって行ってまいりました。今後は医師、看護師、コメディカル含めてですね、そういう個々の職員が総務事務システムに直接入力、申請することになります。それとこれまでこれらの職員に代行して行っていた事務を病院現場の職員は行わなくて済むということになります。これが8月からスタートすることになります。
一方、本庁の給与担当職員が本庁職員のものを行っていました。ただ総務事務センターのシステムを通じて、各病院で入力したデータが総務事務センターに来ます。総務事務センターに配置された職員は、個々の職員が自分で行いますのでやはり間違いもあると。手当、申請、年末調整の申請を総務事務センターに配置された職員が間違いがないかどうかをチェックした上で、沖縄県庁全体で稼働している給与システム、自動システムにそのデータが転送されていくという仕組みになります。よって少なくとも各現場の給与事務担当者は、これまで代行していた事務は軽減されるということになります。
(きゆな智子)<略>この当初予算が膨れて稼働も遅くなった、<略>この契約にそもそも問題があったと監査からも指摘されている事業。しかも予算は明らかに増えていると。これをどう総括するおつもりなんでしょうか。仕方がなかったでそのまま終わるんですか。
(病院総務事務センター室長)
予算が膨らんだことにつきましては、病院現場との協議を重ねる中で、現場の意見を受け止め新システムの追加改修を丁寧にきめ細かく取り組んできた結果であり、必要な対応であると考えております。しかしながら、課長からも説明がありましたようにシステムの事前の検討段階を含め、病院現場との意思疎通をより丁寧に行う必要があったものと考えており、今後は病院現場との意見交換をより綿密に行い適正な予算執行に努めてまいりたいと思います。
(きゆな智子) 先ほどの反省点の中の1つは、発注する前に病院現場とお話すべきでしたというところに集約されるのか、今の答弁だとそういうふうに受け止めました。
<略>今後、病院事業局組織としてどういうふうに病院側と意思疎通をした上で今後システム開発に限らず、病院事業局でやっている事業の推進をしていくのか。‥予算(委員会)と決算(委員会)のときにいつも病院事業局と病院長たちの言い分が違う。<略>ここまで食い違う答弁がある局はここだけだと思うのです。<略>
システム開発のこの件は病院現場の意見を聞いて発注すればよかったと。これが反省点であるとしたら、ほかの事業についても本当に病院現場の声を聞き追加のトラブル処理の予算が膨らまないようにしてほしい。このボタンの掛け違いで予算が増えるというのは、やっぱりどうしても看過できないんですよね。
今期(県議会)も終わりますし、次に議会があるのが6月、7月。システムがスタートするのが8月という予定ですが、この事業に関しては問題がある契約だったということは、ぜひ病院事業局のほうには認識をいただいて同じ事を繰り返さないでいただきたい。局長いかがでしょうか。本来は今の局長に代わったタイミングでもっときれいに整理していただきたかったと今でも思っています。組織の問題点を解決するのはトップが代わったタイミングだと思っていました。
(病院事業局長) 今回多分、その病院事業局と病院現場との間の溝を埋めることを目的に私、指名されたと思っているんです。この1年間いろいろやってきています。今、病院事業局のメンバーもそれぞれの事案で現場に出かけていって、話合いをしています。委員がおっしゃったように、この案件についても事前のいわゆるコミュニケーション不足で片づければ実際のところはそうなんです。本当はもっとやるべきだったと思います。
この案件に関しては、中部病院で僕がディレクターをしているときに隣だからいろいろ話は聞こえてきていたんですよ。
いろいろ疑問は持っていたんですが、ただ事務の負担が軽減されるということを聞いていたので、それ以上僕は突っ込みませんでしたけれども、そういう意味では今、委員がおっしゃるように、やはり現場とどれだけ密に打ち合わせるかということが非常に重要だと思います。
これからはそういうふうに問題が生じる前に行ったり来たりしないといけないと思います。1年終わり残り3年の間、そのかけ橋をやるのが自分の仕事だと思いますので、よろしくお願いします。
以上
※読みやすいように主旨を変えず略したりした箇所があります。
これまでの経緯:
・県立病院の労務管理・事務効率化はどうなる?総務システム導入の適切性を問う③ 2024年2月