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県立病院の労務管理・事務効率化はどうなる?総務システム導入の適切性を問う③

「県立病院の労務管理・事務効率化はどうなる?総務システム導入の適切性を問う②」
この件の進捗、問題指摘を本会議一般質問で行いました。


令和6(2024)年2月22日
第1回沖縄県議会定例会
代表質問


県立病院の事務効率化のために始まった「総務事務センター」の設置と、労務管理システム開発。しかし、県立病院の労務管理システム開発の随意契約に問題があった点と、2024年4月からスタートする「医師の働き方改革対応」に向けた動きは遅れています。経緯、問題の所在、今後の対応について質疑を繰り返しています。


(喜友名 智子) 県立病院の労務管理システム開発と医師の働き方改革対応について、進捗はいかがでしょうか。


(病院事業局長) システム構築費用は、令和4年度サーバー等の機器調達を含め、5128万7500円。令和5年度は追加改修として4104万1000円、計9232万8500円となっております。令和6年度予算では、経費として追加改修及び運用保守を含め6261万8000円を計上しております。


(喜友名 智子) 当初予算が5280万、その後の追加予算が大体1億ですか。その金額をもってして、今年4月スタートだった本稼働は8月まで遅くなると。当初の目標だったこの事務軽減というのはいつ頃実現するんでしょうか。


(病院事業局長) 御存じのように、当初2月スタートの予定でした。病院現場からの改修要請がありまして、事業局の担当と病院現場から事務長あるいはドクターも来てもらいまして、いろいろ話をしていい方向に持っていこうということで、さらにもう少し時間がかかるだろうということで、一応、今回8月でスタートする予定なんですけれども、それまでは従来のシステムを使いつつ、やはり一部紙運用は必要になるかと思いますけれども、8月でスタートできるように今努めているところであります。


(喜友名 智子) 今の答弁だと、その予定に間に合わなかったのが、現場の改修要望が多かったからだというふうに聞こえるんですね。私これ違うと思っています。昨年から委員会、それから本会議でも質問を続けてきましたが、この取組がなぜここまで予算が膨らみ、遅れたかという問題には大きく2つ問題点があったのではないかと私自身は今振り返っています。1つは、勤務形態が特殊な医療分野の労務管理を知事部局のシステムに合わせようとしたことだと思います。ほかの病院、県外の病院ですと、専用のソフトあるいは専用の労務管理システム開発会社に発注をするというケースのほうが多いのではないですか。今回、なぜ知事部局のシステムを前提としてシステムの開発をしようとしたのか、まずここから検討不足だったのではないかと思っています。2点目、システム導入に当たって――先ほどの話とも関わりますが、自主開発がよいのか、専用ソフトの購入がいいのか、その比較を恐らくしなかったのではないんでしょうか。随意契約で始まったこともあってなかなか予算、それから内容について比較をしないまま発注をしたと。これが今の予算が膨らみ、本稼働も遅れるという事態になった。今からでも進め方を修正したらどうですか。


(病院事業局長) 現在、令和3年に策定した県立病院ビジョンに基づいて事務執行の効率化、適正化を図るために令和4年度に各病院の職員給与事務の集約化と併せて、知事部局の総務事務システムの導入を決定して調達していると認識しております。
総務システムは、全庁で共通利用する給与システムで連携接続する必要があることから、市販のアプリケーションソフトを購入するのではなくて、知事部局において安定的に運用されている総務システムを活用するということから始まっていると認識しております。
市販のアプリケーションは今たくさん出てきてはいると思うんですけれども、それぞれに多分一長一短があるというふうに理解をしています。そして今、既に開発が始まっていますので、8月に向けて――これ、一番の大きな問題は、働き方改革で医師のほうの問題です。例えば、勤務間インターバルとか、それを確実に見るための方式、つい最近、8月に出来上がるであろうものを見せていただきましたけれども、医師一人一人、あるいは管理者が非常に見やすい形の方向に出来上がっているようですので、8月には100%満足ではないと思うんですけれども、満足できるような形のシステムになるんだろうと思っています。


(喜友名 智子) 昨年質問したときには、年度末まで様子を見て進まなかったら別の判断があるのではないですかということも指摘をさせていただいておりました。年度末を目の前にして本稼働が8月ということで、ほかの評価があってもいいんじゃないかと思っています。
また、医師の働き方改革で言うと、このインターバルの管理ですね。これが恐らく4月から当面、ひょっとしたら紙での管理になるのかと思っていまして、対応する職員、それから開発事業者の皆さんの負担にならないような対応を少しでも考えていただきたい。これは彼らの責任ではないはずです。そこは業務負担が重くならないように、ぜひ改善をしていただきたいと思っています。
(この開発は)本竹局長がいらっしゃる前に決まった話ですので、本来、見直しをするのであれば、人事が変わったタイミングがよかったのかなと個人的には思っております。ただ、このまま8月まで開発を行うと、改修を行うということですので、現場の職員の負担がないようなことが一番大事ではないでしょうか。
この件はもう何度もやってきて、論点もはっきりしているかと思いますので、現場の職員の負担にならないように要望して、この件は終わりたいと思います。 


以上


※当該システム開発の件につき、オンライン週刊誌での記事がありました。
『沖縄で「税金垂れ流し」の異常事態発覚! 内部資料で判明した“高くて遅い”システム開発事業の中身』 【ダイヤモンド・オンライン、2024.04.12】