県内の有機野菜生産者から、肥料の高騰で生産どころか貯金を取り崩して費用にあてるなどの厳しい状況と、県からの支援策について切実な声をいただきました。
沖縄県では農林水産予算、人員配置とも減少が続いているのが現状です。
県内での食料自給体制づくり、生産者支援や在来種生産について質疑を行いました。
2024 [令和6] 年2月(第2回)定例会
代表質問
農水産業の振興について
(智子)日本の食料自給率の低さ、海外依存度の高さの問題は長らく指摘されております。島嶼県の沖縄県では災害対応の意味でも自給率を高める施策が求められます。
しかし令和6年度予算の農林水産部予算は、地産地消推進事業や不利性解消事業などがあるものの前年度比マイナス8.4%となり、県内で食の生産体制を維持するには不足しているのではないでしょうか。見解を伺います。
(農林水産部長)令和6年度農林水産部当初予算案について お答えいたします。
農林水産部の令和6年度一般会計当初予算案は525 億8445万3000円で、令和5年度と比較すると47億 9775万円、8.4%の減となっております。減額となっ た主な要因は、県立農業大学校移転整備事業の減や漁業調査船代船建造事業の終了による、総額53億3630 万9000円の減によるものとなっております。一方、 沖縄振興一括交付金など生産者支援に要する経費は、 令和5年度とほぼ同程度となっております。
県としましては、新・沖縄21世紀農林水産業振興 計画に掲げる各施策を推進し、本県農林水産業の振興 に取り組んでまいります。
(智子)物価高騰が続く中、畜産農家だけではなく有機野菜栽培農家も有機肥料の異常な高騰で経営が圧迫され、廃業に追い込まれた農家もあります。このままでは食の生産基盤が沖縄で崩壊してしまう懸念を持っています。県の支援策を伺います。
(農林水産部長)有機肥料等に対する県の支援策についてお答えいたします。
肥料価格等の高騰は、食料の安定供給や農業経営の安定化などの観点から大きな課題であると認識しております。このため県では、緊急対策として肥料価格上昇分に対する支援のほか、化学肥料の低減定着に向けた堆肥等の利用拡大支援など総合的に実施して いるところです。 引き続き土壌診断に基づく適正施肥の推進や地域資源の活用促進など、生産者の肥料コストの低減に努めてまいります。
(智子)島嶼県という地理的環境の沖縄で、生産農家が持続可能な経営を続けていくためには、県独自の輸送費負担軽減の取組が必要ではないですか。
[※注:農家が使う飼料・肥料は県外から購入しているため輸送コストがかかります。生産した農産物の県外販売については支援事業がありますが、県外→県内の輸送に関しては仕組みがありません]
(農林水産部長)生産資材に関する移入コストの負担軽減についてお答えいたします。 農林水産物条件不利性解消事業においては、農林水産物等に係る域外出荷コストの負担軽減を実施してお ります。一方、飼料・肥料等の生産資材に関する移入コストの負担軽減につきましては、令和9年度以降の 事業の在り方に関する国との協議等に向けて、全国に おける類似の制度等を参照しつつ、関係機関と連携して現状の把握と調査研究に努めてまいります。
(智子)令和6年度の新規事業として小麦生産対策事業が計上されています。
沖縄で在来種を含めた雑穀生産の復活・増産も含めるのはどうでしょうか。
今世界で 注目されているプラントベースフードの一つとして、 また栄養価が高いスーパーフードの一つとして新しい食文化マーケットの開拓が期待できること、そして沖縄の在来農産物を次世代につなぐ意義があると考えます。
(農林水産部長)おきなわそば地産地消プロジェクト推進事業についてお答えいたします。 当該事業は多くの県民や観光客が食する沖縄そばの原料に、県産小麦を活用する取組を推進し、小麦の生産拡大や沖縄そばの魅力向上を図ることを目的としております。
また、県内ホテル、飲食店等と連携し、 県産小麦の付加価値を高めるとともに、観光振興に寄与するものとしております。
令和6年度は、沖縄に適した品種の選定、栽培実証展示圃の設置、小麦生産の収益性検証を行うほか、雑穀を含む県産穀類の実態調査等を実施することとしております。
以上