◆クルーズ船施設利用料の見直しを提起:利用者負担の適正化と港湾財政の健全化へ
那覇港でのクルーズ船の受け入れに伴う警備費の増加の議案を受け、利用料算定の妥当性について質疑を行いました。
平成30年の設定以来据え置かれてきた施設利用料。港湾行政の「利用者負担」と「財政の健全性」を確保するため見直しを求めました。物価・人件費の上昇や円安など、環境が大きく変化する中で、適切な料金設定を通じた港湾運営の強化と観光利益を県民に還元にできるよう提案。2025年度より施設利用料が見直されました。
※きゆな智子は約2年間(令和4年9月30日〜令和6年6月24日)、那覇港管理組合議会としても活動していました。
令和5年11月14日
(きゆな智子)クルーズの施設利用に伴う警備費の増加は、施設利用料に上乗せすることはできないのでしょうか。
(副管理者)クルーズターミナルの旅客施設料金についてお答えします。
那覇クルーズターミナルの旅客施設料金については、クルーズの寄港に対するコストを踏まえ算定したものであり、
警備費等についても算定対象に含まれております。当組合としましては、警備費等管理運営に関するコストが増加していることから、
那覇クルーズターミナルの旅客施設料金を見直す方向で検討してまいります。
(きゆな智子)施設利用料の見直しについて前向きな答弁がありました。非常に期待をしております。
そもそも今のクルーズの施設利用料について、どのような根拠になっているのか確認させてください。
(参事監兼企画建設部長)料金の設定に当たっては、那覇クルーズターミナルの施設を維持運営するための必要な費用を、
年間の乗客数で除して算出をしております。
主な経費として、クルーズを受け入れる際に必要な警備委託費などの運営費や電気料などの光熱費などとなっております。
(きゆな智子)今ホームページを見ますと、クルーズ寄港の施設利用料については、
280円掛けるクルー船の乗客数で積算しているということが分かります。この280円はいつどのように決められたものでしょうか。
(参事監兼企画建設部長)算定の根拠ですけれども、那覇クルーズターミナル運営に関する年間経費は、
当時、これは平成29年度ですけれども、約9,800万円。年間利用者数約34万人となっており、
それを割りますと1人当たり280円となります。
その料金につきましては平成30年8月の議会で議決を得ておりまして、令和2年1月1日から施行をされております。
(きゆな智子)では、今後、料金の見直しを行う際には、同じように算定根拠があって280円という単価が上がるのかなと思っています。
今回、参考資料も事前に御提供いただいて、クルーズターミナルの警備業務委託費を見ますと、
理由がオーバーナイトの回数が増えたからということが分かるわけです。
答弁の中では、当初警備費もコストの算定に入るということですので、利用者負担ということは意識をしていただきたいと思います。
やはりこの港湾組合の原資の税金ですから、きっちりと利用料というところは意識をして、
特別自治体でありながらもちゃんと収入で得るべきところは得るというところは、今回を機に改善をしてもらいたいと思います。
そして、もう一つです。今「価格転嫁」は、賃上げを意識して1つのキーワードになっています。
警備員さんたちの待遇も業界的に見ると決して満足ではないと思いますし、
那覇港の警備に当たる方もやはり待遇が満足であると言える状況にはまだまだないと思います。
しかも今、円安続きで外国人の方からすると、沖縄も含めて日本は割安だから観光に来るという実態はやはりあるわけです。
それも踏まえて値上げは、何と言うんでしょうか、値上げするって勇気のいることだと思うのですけれども、
ここはやはり適切な利用者負担というところは意識をしていただきたいと思います。
(他議員の質疑にあった)泊いゆまちのお話で「1人2万円マグロ買うんだよ」というお話を聞くと、
280円の単価を500円とか1,000円ぐらいに上げても、これでクルーズの利用者が減るとは、私は思えないんですね。
沖縄の観光の付加価値を上げるという意味では、しっかりこういうところは対応していただきたいと思います。
「クルーズ施設料 来年度値上げへ 那覇港管理組合議会」沖縄タイムス、2024年11月19日
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