男女共同参画社会の推進

選択的夫婦別姓の県民意識について

◆沖縄は全国でも選択的夫婦別姓への賛成が高い一方、制度化は進んでいません。
1996年の法制審議会答申の柱だった「婚姻最低年齢」「再婚禁止期間」「婚外子相続分規定」は改正されました。
しかし「選択的夫婦別姓導入」だけが、30年近く経っても法改正されていません。
制度実現を求める沖縄からの声を可視化し、民法改正を後押しします!



県議会令和6年6月(第2回)定例会
経済労働委員会 2024年7月23日


(きゆな智子)陳情第62号です。
 こちらはどちらかというと、賃金格差の是正、均等待遇、労働時間というふうに、比較的数字で分かりやすい事項を求めていると思います。
 この中で、処理方針の中ではDEIGOプランのことについて触れられておりますけれども、数字的なことだけではなくて、この中で1つ触れているかどうか確認をさせていただきたいのが選択的夫婦別姓制度です。
 民法の改正事項なので、県が直接何かできるということではないんですが、選択的夫婦別姓制度について、国に意見書を上げてくれという請願が前回県議会にも上がっておりました。残念ながら採択には至らなかったんですけれども、全国では沖縄が最も選択的夫婦別姓制度を求める方が多いというアンケート調査があります。
 DEIGOプランの中でこの選択的夫婦別姓について触れられたり、この意識調査をしたというようなことはあるでしょうか。

※DEIGOプラン=沖縄県男女共同参画計画
→詳細

(女性力・ダイバーシティ推進課班長) 県では、令和2年度に男女共同参画に関する県民意識調査を実施しております。その中で女性の男女平等に関する意識とか、そういった様々な項目を実施しているところですが、選択的夫婦別姓という項目では確認できないところです。

(きゆな智子) 今後こういった調査があるときには「選択的夫婦別姓制度を求めますか」という項目を入れていただきたい。今実際に制度的には夫婦別姓の方も増えておりますし、制度としては全くできないというわけではないと思います。通称制度を使われる方もおります。
 ただ男女共同参画、それからジェンダー平等という政策の中では、制度はまだないですが、実際に夫婦の姓を選ぶときに、男性の姓にする夫婦のほうが圧倒的に多いわけですよね。男女平等が実現されていれば、できれば半々ぐらいで女性のほうの姓になるという結婚の形態があってもいいんじゃないかと思います。
 それを見ますと姓の選択というところは、制度としてはお題目として男女平等と言いつつも、実際は男性のほうの姓になるのが当たり前だよねという意識がまだ社会に根強いという表れだと思います。
 実際に沖縄社会が求めている意識というのは何なのかというところは、アンケートで明らかにしていくような取組をしていただきたい。
 ひょっとしたら、先ほどの陳情第44号で、「男性、それから会社、世の中が女性に対して威張っている」というこの言葉の中には、実際には結婚したら男の姓になるのが当たり前だよねという社会に対する意識もあるのかもしれないと思いながら、この質問をいたしました。

(女性力・ダイバーシティ推進課班長) 先ほどアンケートの中で選択的夫婦別姓は確認できないと申し上げましたが、アンケートの中で結婚や家庭生活に関する考えの中に1つ項目がございまして、夫婦が別々の姓を名乗ること、選択的夫婦別姓を認めるほうがよいかどうかという設問がございました。申し訳ございません。
 その結果として、賛成が28.7%、どちらかといえば賛成が20.5%、どちらかといえば反対が15.7%、反対が15.2%、分からないが14.6%、無回答が5.3%となっております。

(きゆな智子) ありがとうございました。
 アンケートの調査はとても大事な項目だと思いますので、引き続き項目に入れて経過をたどっていただきたいと思います。
 できれば民法改正がなくても、沖縄で特区制度的に夫婦別姓ができないかということを考えたりもしていますが、まずは県民の意識調査を明らかにしていくというところも大事じゃないかと思います。

以上。


参考:(外部リンク)
選択夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について

選択的夫婦別姓・全国陳情アクション

「選択的夫婦別姓」賛成、反対多い県は?沖縄が圧倒、その理由 [都道府県別]

連合 夫婦別姓に関する調査 2025

沖縄弁護士会 選択的夫婦別姓制度の導入を求める決議 2024(令6)年12月28日

日本弁護士連合会の取り組み

経団連 「企業」における社員の姓(氏)の取り扱いに関する調査結果および「女性エグゼクティブ」の姓(氏)の取り扱いに関する緊急アンケート結果