若年妊産婦の宿泊型支援施設について
(令和4年第7回定例会、文教厚生委員会、2022年12月26日)
10代〜20代半ば頃の若年妊産婦の支援施設はまだ不足しています。
特に若くして妊娠・出産するお母さんたちには、通所型だけではなく、安心して一定期間を過ごす音ができる「宿泊型の公営設置が必要だ」と質疑を続けてきました。
その結果、国庫予算の活用で設置する動きが出てきています。
この質疑では、知事が視察した際の様子と、視察から得た「施設運営で重視するポイント」について確認しました。
(きゆな智子)一般質問の本会議場でも、今のご答弁でも次年度は国庫補助を使った事業化を検討していくという姿勢が改めて確認できました。予算の獲得に向けてぜひ頑張っていただきたい。(すでに支援に取り組んでいる)民間の支援施設が2つ、どちらとも県は足を運んで実際に現場を見てみたという理解でよいか。
(青少年・子ども家庭課長) おっしゃるとおり、知事御自身が視察を行っております。
(きゆな智子) 行ったのは知事だけですか。
(青少年・子ども家庭課長) 関係課職員が随行してまいりました。
(きゆな智子) 行政がああいった宿泊施設を造って、運営を直営にするのか民間委託にするのかは、また今後の議論になると思うんですけれども、おそらく今の福祉の枠組みだけではなかなかあそこまでの支援が行き届かないという課題は出てくるかと思います。行政が(若年妊産婦の宿泊型支援施設を)運営するときの課題についての所見を今の時点で結構ですのでお聞かせいただけますか。
(子ども家庭課長) やはり妊産婦でございますので、様々な緊急事態も予想されます。そのためには専門的な医療の体制を十分に整える必要があるわけです。そういった事業を県が今後もし行うに当たっては、その辺りをしっかり整えた上でやらなければいけないということになると思います。
(きゆな智子)医療の支援も非常に大事であるということは私も同感です。
もう一つ、若年妊産婦の支援施設を設置するときに県のほうに留意をしていただきたいのが「誰を支援するための施設か」ということなんですね。
行政、特に国庫補助を使うのであれば、縦割り行政の課題が出てくるかと思います。
民間の施設を私も何回か訪ねましたけれども、この施設で支援している方々が一番大事にしていることは、とにかく若年妊産婦のお母さんのサポートを徹底的にするんだということなんですね。今は民間の資金で運営しているので、自分たちの現場判断で動けるという裁量が、自分たちの判断で動いていることが、非常に価値のある施設になっているわけです。できればこれをちゃんと行政が支援する、設置する施設になっても踏襲できるような施設にしてもらいたい。
そのためにはお母さんを否定することなく徹底的に寄り添うんだというマインドがないと、「行政の予算ではこれは限界があります」とか「これはちょっと難しいね」とか、若くして一人で出産をして、行き場がないお母さんたちを否定するようなことにならないかなということを、まだ検討もしていない段階ですけれども、行政が設置したときには懸念しているところです。こういったお話は現場でお聞きになったり、説明を受けたりはなさったでしょうか。
(子ども家庭課長) 現場でもそのようなお話は出ていたと思いますし、この団体さんにつきましては委員御案内のとおり、マスコミや様々な媒体を通じて既に県民はご存じの活動、その中でも例えば実家に帰ってきたような雰囲気の中でお母さんに過ごしていただきたい、お母さんを否定しないというようなキーワードが出てきたと記憶しています。委員おっしゃるとおり、お母さんを大事にする、福祉であろうと、医療であろうと、そのような施設でなければいけないというふうに考えております。
(きゆな智子)今日は朝から児相の議論が出てきています。「子供の最善の利益」と言いながら、大人の議論が先に出てきてしまっているというのがあるわけです。子どもの権利の尊重条例だったり、子供を最優先に考えようということが形式的にはうたわれても、実態として課題がまだあるよねと、いろいろと指摘をされたのが今日の委員会の大半の時間であったと思います。
同じ福祉という分野でこういった支援施設を県が設置するというときには、「誰のための施設で」「何のためにやるのか」と、ひたすらにその目的を忘れないで設置をして支援をしていくんだという施設にぜひしていただきたいと思いまして、このような質問をいたしました。
予算の獲得もそうですけれども、こういった根本の部分もぜひしっかりと県のほうで議論をして事業化をしていただきたいと思います。
議事録→https://www2.pref.okinawa.jp/oki/bunkyoukousei.nsf
※HPへの掲載にあたり、読みやすいよう一部編集しています。