令和3年7月15日に行われた、文教厚生委員会での質疑の一部を掲載します。
事案の重要性から、文教厚生委員会で陳情者と遺族を参考人として招致し、質疑を行った。
喜友名 智子:現段階で、どういった調査をすべきと考えているか伺う。
参考人:調査方法、調査項目、対象者の範囲等、丁寧に時間をかけて調査を行うべきであると考えている。過去に新潟県で起こった指導死事案の際、その調査に関わった世取山教授は、本件の調査期間20日はあまりにも短く、しっかりとした調査を行うためには2年は必要との見解を示している。
外部の調査委員会がしっかりとした調査をしなければ、本件の真相は見えてこないと考えている。
喜友名 智子:私も同様に、20日間の調査期間では全く短いと考えている。関係者の中には、時間の経過とともに本件について話せるようになる方がいるかもしれない。そういった観点からも、時間をかけた調査が必要だろう。
また、世取山教授は本件について、部活顧問による人格支配の危険性を示した事例として扱うべきとコメントしている。この人格支配という指摘は、本件のポイントであると私は考えている。ご遺族は、この点についてどのように考えているか。
補助者:本人の親しみやすさから言ってよいことと悪いことが積み重なり、最終的には本人が反抗できない状態、一種の人格支配に至ってしまったのではないかと考えている。
喜友名 智子:私は選択的夫婦別姓に賛成の立場だ。また、選択肢が増えるとの観点から、一般的にも賛成の声が多いだろう。ただ、仮に制度化しても、従来のように夫婦同姓にする人が多いだろうとの意見もある。この点について、参考人の考えを伺う。
参考人:選択的夫婦別姓を認められている国でも、夫の氏を選んでいる方が多いというのは事実だ。仮に日本で制度化に至っても、似たような状態になるだろう。
この背景について、外国の事情は分からない。一方、日本の場合、これまで圧倒的多数の96%の女性が改正してきたという現実があり、社会的な圧力や夫婦間の経済格差に起因する、女性側の遠慮があると考える。
喜友名 智子:結婚する際、96%の女性が男性の姓を選んでいるという現実がある。しかし、現在の状況で夫婦別姓を選んだ残り4%に、仕事や手続き、コスト面で実害が生じていることも事実だ。「4%は個人の選択だから仕方ない」では、政治や政策論がこの4%を見捨てるということに他ならない。
ただ、政治だけで制度を変えられるわけではない。その意味で皆さんの活動は、とても意義のあるものだ。これまでの活動で、うるま市では意見書が可決されたようだが、県内の他の市町村に対して働きかけは行っているか。また、今後の予定があるか伺う。
参考人:私たちが実際に陳情書を提出したのは、沖縄市のみだ。今後は那覇市での働きかけを検討している。
喜友名 智子:皆さんの活動は、選択的夫婦別姓の議論に必要不可欠だ。また、少数派ではあるが本当に困っている人の声を上げるという意味で、とても意義のある活動だ。今後も県内で選択的夫婦別姓を必要とされている方たちの声があれば、私たちに教えていただきたい。