◆勤務管理システムの支給誤り3,000万円超を追及
県議会前期から取り上げ続けてきた、病院事業局の問題のある勤務管理システム導入。
8月から稼働するもシステムエラーによる手当未払いが発生しました。
一般的に新システム導入のトライアンドエラーはある程度見積もるものですが、この導入管理についてはその水準ではないと問題点を指摘し続けてきました。結果、「事務現場に重い負担を強いているのでは」という懸念が拭えません。原因と対応を質疑しました。
「県立病院、給与に誤り 当初の3倍1.5億円かけ導入の勤務管理システムでエラー」
>> 琉球新報、2024年9月25日(外部リンク)
「沖縄県立病院、職員の給与2,900万円未払い 勤務管理システムのエラーで」
>> 沖縄タイムス、2024年10月4日(外部リンク)
令和6(2024)年10月9日
第1回沖縄県議会定例会
一般質問
(きゆな智子)8月から稼働した新たな勤務管理シスエムのエラーによる手当など未払いの内容、それについての今後の対応を伺います。
(病院事業局長)
病院総務システム稼働後の手当の支給誤りについては現在対応中ですが、プログラム修正後の再計算の結果、過不足払いが確認された職員数は1160人で、金額は、不足払いが約2900万円、過払いが約70万円、合計約3000万円となっています。これらの支給誤りに対しては、10月例月給与において追給等を行う予定です。対象となった職員には御迷惑をおかけしており、大変申し訳なく思っております。今回の支給誤りの原因となった情報連携プログラムエラーの大部分は解消しており、残るエラーについても早期に解消するとともに、引き続きシステムの安定的な運用に努めてまいりたいと思います。
(きゆな智子)
この総務システム、議会が始まるタイミングで給与の未払いのエラーがあり、これまでの質疑を聞いていますと、一応対応はしているということでした。契約段階からの問題、それから予算が当初予定の3倍、本格稼働してからの給与未払いのエラー、この責任について局ではどういう総括をしているのですか。
(病院事業局長)
まず令和4年度に、もともとは給与システムの職員の負担軽減を図る目的でこの総務システムを稼働しています。そのときに、契約の問題が指摘されて、これは問題だろうということで、そこからの始まりだと理解はしているんですけれども、その後、令和5年度になって追加改修をする必要が出てきたのは、一つは医師の働き方改革ですね。それに職員の負担軽減のためのシステムの改修がどうしても必要ということで、令和5年の5月に追加になっております。それから、テスト版ができましたので、令和5年の年末ですか、北部病院を中心にテストを開始したんですけれども、やはりそこで不具合が出たということと、それからドクターのほうからかなりいろんな要望が出てきました。
それは私が考えるに、医師の働き方改革の時間外勤務というのは非常に複雑です。勤務間インターバル、代償休息、病院によっては36協定の在り方が全く異なります。そして6つの県立病院それぞれが異なるという非常に特殊性を持っていたりとか、そういうのを反映させるのにかなり時間がかかって、追加改修も必要であったということが現実だろうとは思っています。それでも、令和4年の導入時に、あらかじめそういうところが全部予測できたかはかなり難しいと思いますけれども、そういうのを予測しておれば、本格稼働までもう少し時間的なものを短くすることができたし、長くなればなるほど、例えばSEの人件費がかかりますので、その辺の縮減はできたものと反省しているところであります。8月から稼働が始まりましたけれども、かなりマイナーエラーが起こっています。
例えば電子カルテを更新したりする際にも、安定するまではしばらくそういうバグとか出てくるので、それは一応可能性としてあると思いますけれども、今回のエラーはほとんど解決済みですので、もうしばらくすると安定的な運用ができるものとは考えております。
(きゆな智子) これだけのエラーを起こしてマイナーエラーと言われ<略>とまどってはおります。本来、最初に現場からの意見を聞きながら仕様書をつくったり、そこまでちゃんと局で詰めた上で競争入札するべきだったんじゃないかと思います。今の答弁だと、総括はしているけれども、この事業がここまで進んでしまったことへの管理責任についての総括はまだなさっていないんだなというふうに受け止めております。残念です。
この件、県のホームページで公開されている随意契約の一覧を見ますと、この総務システム開発関連の契約が4件確認できます。このうち、今年4月に500万円の保守契約をした1か月後に、追加改修契約が5660万行われています。通常、メンテナンスという意味での保守契約をした後に、これの10倍ぐらいに当たる追加改修契約と。この順番の意味がよく分からないんですけれども、なぜこんな流れになったんですか。
(病院事業局長)4月の保守管理契約については、職員の給与明細をシステムで閲覧するためのデータの保守管理です。5月のやつはその保守管理ではなくて、追加改修で、これは別々のものだと考えてます。
(きゆな智子) 視点を変えますけれども、前回の定例会で、県の予算からもこの病院総務システムの予算が出ていると指摘をいたしました。こ
れ保健医療介護部になるでしょうか。内容を確認させてください。
(保健医療介護部長) 病院の総務事務システムの初期導入費用につきましては、病院事業債が活用されておりまして、病院事業債の元利償還金は、総務省の示している一般会計からの繰り出し基準の対象になっているということでございまして、令和6年度の繰出金で充当されております。その額につきましては、令和6年度で619万9000円ということになっております。なお、改修等については繰出金の対象とはなっていないということでございます。
(喜友名 智子) 追加の改修についてはこのような繰出金は充てられていないという理解をしておりますけれども、保守費用としては恐らく同じような仕組みで病院事業局のほうに繰り出しの予算がいくわけですよね。今後懸念しているのが、年間―先ほど申し上げた今年4月の500万の保守契約、これは先ほど保健医療介護部長から答弁がありました600万ほどの繰り出しと1年間の保守費用に相当するなと思っています。このような保守契約の中に、今後もう必要ないような追加の改修を丸め込んで発注するような懸念をしていますけれどもいかがですか。もう保守費用と追加の改修費用の区別ついてないんじゃないですか。
(病院事業局長) システムの根幹を変えるのは、保守ではできないですよね。今システムが稼働してますけれども、軽微な―マイナーという言い方は悪かったかもしれませんけれども、やはり軽微なバグ等は出てくると思います。それは保守管理で補っていくものと思います。したがって、根幹を変えるような大きなシステムの改修に関しては、それは保守ではありません。それはちゃんと認識しております。
(喜友名 智子) 聞き取りの中で、このような契約を繰り返すというのは、もう業者との癒着があるんじゃないかと疑われても仕方がない状況であると思っています。局として契約の適切性を今後どう担保するか。その仕組みづくりが必要だと思って、我が会派の代表質問でも内部統制の仕組みづくりが必要じゃないかと尋ねましたが、改めて見解を伺います。
(病院事業局長) 今回、監査から指摘が一つのきっかけになって、病院事業局では、法令等のガイドラインとか資料に基づいた職員一人一人の勉強会、それからチェックシステムの運用を図っているところです。一番の例は、基本的に内部統制は、病院事業局の管理者がいるところでは必ずしもマストではないです。だけど私たち、システム的にはそういうふうにしていますし、実際今、統括監を中心にラウンドテーブルの周りに各課の主幹、班長以上を全部集めて、事業に関わる重要な案件は全てディスカッションして決めることにしています。それは去年、僕が赴任してからそういうことにしました。それまでは恐らくいわゆる縦割りの形でこの契約のことも出たんだろうと思っていますけれども、横串を刺さないとこれはできませんので、ちょっと文化は違いますけど、私たち医療の現場ではそういうふうに縦割りでは医療はできませんので、そういう横串を入れるような文化を一応去年から導入して、きちんとそういう体制をコントロールというんですか、やっていかないといけないということで、実際去年から始めているところであります。そのきっかけとして、やはりこの監査の指摘は大きなきっかけになったと思っています。
(きゆな智子) 監査は年に1回ペースなんですよね。内部統制は、通常業務で不正や財務の適切なやり取りが行われているかということを日常業務の中でチェックするという仕組みなので、少し系統が違うのかなと思います。ただ、代表質問の答弁の中で、こうおっしゃっていました。本庁に財務事務の適正化を行う担当者を配置するということでした。県のほうで内部統制が行われていて、病院事業局のほうで、本庁に財務事務の適正化を行う担当者を配置するということであれば、この中でせめて随意契約に関してだけでも、内部統制の仕組みに乗っけられる部分はあるんじゃないでしょうか。
(病院事業局長) やはり今回の契約に関しては、私もこの1年間いろいろ調べましたけど、結局法令等々を熟知していないというところからこれは始まっていますので、この件に関しては、現在病院の中でもかなりいろんな事案がありますけれども、全課でディスカッションしながら、きちんとした方向に持っていくというチェック体制、それはもう始まってます。この契約だけではないです、私たちが考えているのは。だから、今議員がおっしゃったように、その1つだけ、1年に1回ではないです。毎日行っていますので、その辺の御理解よろしくお願いします。
(きゆな智子) このような仕組みで、こういった契約の不備が改善されることを心から願っています。1000人規模、3000万円規模で未払いが発生しているという事態。先ほど新垣光栄議員が土木部門についてですが、技術職資格を取った職員の待遇改善の質疑を行っておられました。業務評価で反映する部分があると総務部長おっしゃってましたよね。業務評価があるというのであれば、このような問題があった契約と、それを止められなかったという業務の評価。これが反映されないのはおかしいんじゃないかと思います。罰則めいたことを言わないといけないのはもう本当に嫌ですけれども、それだけの結果、沙汰になっているというのが、今回の未払いのエラーだと思います。
答弁の中では、8月分で9月支払いの分だけしか答弁がなかったと理解しているのですが、9月分の支払いについてはどうなのか。10月はエラーが発生しないのか。このシステムの安定稼働はまだまだ程遠いものがあるのではないか。
そしてこの間、一番難儀しているのは職員なんです。事務の職員の皆さん、辞めた方もおられるし。IT企業でいうようなデスマーチ、ブラック過ぎて疲弊するような職場環境ですよ。事務の負荷軽減をするためのシステムが、2年半にもわたって職員に負荷をかけている。このような事業は、監査の指摘もありましたけれども、どこかの時点でまとまった形でしっかりと総括をしていただきたい。このような案件だと申し上げて、この総務システムの質疑は終わります。
以上