◆100億円規模の赤字解消に向けての取組を問う
県内の医療・介護体制と、県立病院の経営状況について、2月補正予算の予算額も含めて質問しました。県立病院は、コロナ後の患者減少や人件費・材料費の増加から、令和6年度に約100億円、令和7年度も約80億円超の純損失が見込まれています。質問ではこの赤字解消の見通しを問いただし、次年度の方向性は答弁があったもののた具体的な時期は示されませんでした。一方で収入増につながる機能評価係数Ⅱの活用や、診療報酬制度に対応できる専門人材の育成・外部活用など、経営再建に向けた取組も示されました。
令和7(2024)年2月5日
(きゆな智子)
県内の医療・介護体制について、2月補正予算(その1、2)における医療・介護関連の予算を伺います。また、国の重点支援地方交付金事業での、沖縄県と九州各県の水準との比較についても伺います。
(保健医療介護部長)
保健医療介護部では、医療・介護関連の予算として、増額補正8件、減額補正14件、合計93億195万円を2月補正予算に計上しております。重点支援地方交付金事業の沖縄県と九州各県の水準との比較については、補助単価の設定方法や補助対象経費等が異なるため単純に比較することは難しいと考えておりますが、県全体の重点支援地方交付金事業38億6687万8000円のうち、医療関係では医療施設等物価高騰対策支援事業に7億3468万円、介護関係では沖縄県介護サービス事業所等物価高騰対策支援事業に7億357万8000円を計上しております。
(きゆな智子)
県の医師会から、この重点支援地方交付金の活用についてしっかりと九州各県の水準を確保するように要望がありました。執行まで含めて、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
続いて、県病院事業局における令和7年度以降の経営収支見通しを伺います。
(病院事業局長)
県立病院の経営収支は、令和6年度決算見込みで約100億円、令和7年度予算で約80億円の純損失を見込んでおります。経営収支悪化の主な要因としましては、コロナ後の患者受療行動の変容等に伴う入院外来患者の減による収益減や、人件費及び材料費等経費の増が挙げられ、今後も厳しい経営状況が続くと考えております。そのため病院事業局としましては、経営再建を行う新組織の設置や経営計画の策定、外部専門家による伴走型支援、国が新たに創設する地方債の活用などを行い、引き続き離島・僻地医療、救急医療等の政策医療や地域医療に重要な役割を果たせるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
(きゆな智子)
令和6年度で100億、そして令和7年度の予算案では83億規模の純損失ということですが、この赤字部分はどう解消していく予定なんでしょうか。
(病院事業局長)
病院事業局としては、厳しい経営状況の中、今後も引き続き地域医療を確保するためには経営強化を図ることが必須であるとして、昨年度に経営改善のためのプロジェクトチームを立ち上げたところです。
(きゆな智子)
今後、経営再建に取り組むとのことですが、この赤字はいつ頃解消する見込みですか。
(病院事業局長)
いつ頃収支がとんとんになるかというのは非常に難しいですけれども、一年一年赤字の部分を減らすことを目標に、病院事業局と各県立病院で横断的にメンバーを入れてプロジェクトチームを立ち上げ、いま走り始めたところです。
(きゆな智子)
県立病院の収支を増やすために赤字を解消することはもちろんですが、経営安定に向けて、やはり県立病院の収入をいかに上げていくかというところが、非常に大きなテーマになってくると思います。各県立病院では、病院の報酬単価に関わる機能評価係数をそれぞれ取得していると思います。特に機能評価係数Ⅱについては、これを上げることで収入を上げようという動きが、全国の自治体病院でトレンドになっていると理解しています。今、県立病院ではこの機能評価係数Ⅱについてどのような分析をしていますか。
(病院事業局長)
DPC(診療群分類包括評価)制度に参加している病院が担うべき役割を評価したのが機能評価係数であり、県立病院はⅡですね(Ⅰは基本的に大学病院)。北部・宮古・八重山病院では、離島・僻地医療や災害医療などの地域医療に貢献していることが評価され、地域医療係数が高くなっております。また、中部病院では様々な疾患に対応できる総合的な診療体制が評価されて、カバー率という係数が高くなっております。南部医療センター・こども医療センターでは、より多くの医療資源を必要とする重症患者を多数受け入れたことによる、複雑性係数が高く評価されております。各医療圏における県立病院の役割を明確化し、より高い係数として評価されるよう、引き続き分析と対策を進めたいと考えております。
(きゆな智子)
やはり国の診療報酬制度と、県民の医療ニーズが本当に合っているのかどうか、非常に難しいところもあるかと思います。しかし、今御説明いただいた機能評価係数Ⅱの部分で、県立病院は非常に頑張っていると思いますので、ぜひ引き続き取り組んでいただきたいです。
続いての質問です。複雑かつ急激に変化する診療報酬制度に対応するには、専門性の高い事務職員や外部の専門家が必要と考えますが、この点について県の認識を伺います。
(病院事業局長)
健全で持続可能な病院経営に向けて、変化する診療報酬制度への適切な対応は、県立病院においての課題であると考えています。このため、令和6年度より医事業務の機能強化に向けて、島根県立中央病院に職員を派遣するとともに、制度的な環境変化への適切な対応に向けて、病院経営コンサルティング会社へ職員を派遣しております。また、病院長をはじめとするトップマネジメント層、各部門長のミドルマネジメント層に対しては、令和6年度末より、変化する診療報酬制度を踏まえた経営マネジメント研修を実施しているところです。
※読みやすいように主旨を変えず略したりした箇所があります。