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県による不適切な事務処理の再発防止に向けて

◆内部統制の導入で問われる沖縄県庁の組織文化改革

県庁内において、国庫補助申請・赤字の決算案・ワシントン事務所関連などに関連して不適切な事務処理が相次いだことを受け、県が取りまとめた「内部統制総点検報告書」をめぐり、県の組織文化に切り込みました。「法令理解の不足よりも『前例踏襲』が本質的な課題」と指摘し、内部統制の仕組みに加え、知事を筆頭に執行部がリードして組織文化を刷新するよう決意を求めました。知事は職員の意識改革と、連携強化に取り組む姿勢を示しました。


第1回 沖縄県議会定例会 一般質問

令和6(2024)年2月9日


(きゆな智子)
国庫補助員申請、赤字の決算案、ワシントン事務所関連などに関して、県による不適切な事務処理が続いたことを受け、「内部統制総点検報告書」の取りまとめと報告まで、自ら総括した県の対応をねぎらいたいと思います。その報告書の中で、今後の対応として「意識改革」「コンプライアンス会議の設置」「エキスパート職員の配置」「チェック体制の強化」「外部専門家による検証」が挙げられております。報告書を見ると、職員の取組は推測できますが、三役(知事・副知事・会計管理者)と各部長の役割については少し読み取りにくい部分がありましたので、認識を伺います。


(総務部長)
県における事務の管理及び執行が法令に適合し、かつ適正に行われることを確保するとともに、その取組を全庁的に共有させるため、知事を本部長として内部統制推進本部を設置しております。また、副知事は副本部長、各部等の長は本部員となっており、重大事案に係る情報共有とともに、全庁的な再発防止の徹底を図る役割を担っています。今回の総点検結果を踏まえ、各所属内の報告・連絡・相談の徹底、組織体制強化と会計専門人材の育成、新財務会計システムによるチェック機能強化等の対応を進めることで、不適切事案の発生を未然に防止し、知事等三役を先頭に公務の遂行に対する信頼回復に努めてまいります。


(きゆな智子)
答弁を伺うと、報連相(報告・連絡・相談)の徹底など、恐らくその組織同士でのコミュニケーションを円滑にするというところが趣旨になってくるのかなとは思います。この報告書を見ると、よくそれぞれの不適切な事務処理について細かく振り返りをしてしっかりまとめたなということで、本当に職員の皆さんをねぎらいたいと思っています。今後、こういった部局を超えてどこでミスが起こったかということの経験、ノウハウの共有にもなると思いますので、今後これぐらいの重大事案のミスは起きてほしくはないんですけれども、ぜひ教訓にしていただきたいと思います。

この行政に対しての内部統制制度について、恐らく県も参考にされたかと思いますが、平成31年度に総務省が発行している「地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン」があります。私も民間企業に勤めていたときに、業務で内部統制に携わっていたことがあり、行政の中でどうやってこの仕組みを設計して運用するのかというのは、興味を持っていたところです。そのときに、やはり組織の長の役割として一番大事なことは、この統制環境をしっかりとつくること、組織文化をつくることというところが大事になってくると、私は思っているんですね。知事はこの内部統制の報告書の内容を御覧になって、県庁の中での業務を進める上で、どのような点に問題があったとお考えでしょうか。また、今後どのような改善の取組をやっていこう、そのための組織文化をどうつくっていこうとお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。


(総務部長)
今回の総点検報告書の中で、(不適切な事務処理が発生した)要因を幾つか挙げておりますが、大きく分類しまして3つあります。まず、法令遵守しないといけないところではあるんですが、財務に関わる基本原則の理解不足。あるいは法令等に基づく手続の理解、認識不足。そして、いわゆる「前例踏襲」が原因だったというところも大きな要因であり、この辺りをまた改めて徹底して改善していかなければいけないと認識しています。


(きゆな智子)
法令の遵守、それからルールをしっかりと理解し学ぶこと、これ私は最低限のことだと思っています。これは経験を積んだり、いろいろな部署を経験することでできるかなと思うんですが、(問題は)この「前例踏襲」の部分ですね。これは内部統制では実はあまり改善されないんじゃないかと心配をしています。よく「お役所仕事」という言葉があるように、「前の人がやっているから(やる)」、それから「今までやったことがないからやらない」と。「検討します」というのは行政ではよくあることですし、不正を防いだり、不適切な事務処理を防ぐための内部統制がどれだけなじむかというところは、ちょっと気にはなっています。ただ、それでも沖縄県らしいやり方で、前例踏襲を何とか乗り越えていくというような組織文化は、ぜひ知事を筆頭につくっていただきたいところですけれども、知事、いかがでしょうか。新しい組織文化を庁内でつくることへの決意をお願いいたします。


(玉城デニー知事)
今回の内部統制の総点検報告書から浮かび上がってくることは、「長年続けられてきたことに対して、どのように改革をしていくか」という、これはもうどこの組織でもある問題意識が改めて明らかになったということだと思います。ただし、沖縄県においては、やはり公金を取り扱う事業、それから国に申請を行う事業など、そのような場合に前例を踏襲した結果、そこで忘失されていたことまでチェックが効いていなかった。そうしたことも含めますと、やはり我々が…我々といいますか、私はもともと民間から選挙で選ばれて行政に入っている人間ですので、「民間ではこれでは通用しない」というようなことも含めて、職員の皆さんに意識をしっかりと持っていただくこと、誰のためにどのような点検をやり、お互いにその報告をし、問題点を共有していくかが必要だということを、常に意識をすることも大事だと思っております。ですから、そういうことも含めて財務会計システムの導入等も併せた新しい手法も取り入れて、ぜひ職員の皆さんがしっかりとお互いの連携が取れるような、そういう組織をつくっていくことが必要であり、大事だと思っております。そのためにまた私も、職員の皆さんとコミュニケーションをしっかり取りながら、公務に邁進できるような環境をつくっていきたいと思います。


(きゆな智子)
ぜひよろしくお願いいたします。今後もこの内部統制のことは追っていきたいと思っています。

※読みやすいように主旨を変えず略したりした箇所があります。