◆「2%・上限2000円」の宿泊税、県民負担と公平性をどう考えるか
県で導入が検討されている宿泊税(観光目的税)について質問しました。検討会で決定した「税率2%・上限2000円」の根拠を問うたところ、2%は財政需要額76億円を確保するため、2000円は他自治体での上限額に合わせての設定であるとの回答がありました。それに対し、自然環境保護や平和学習など使途の充実を求めるとともに、離島住民を含む県民の課税免除を提案しましたが、課税免除は税の公平性を理由に「困難」との見解が示されました。今後も修学旅行生の減少など、財政需要として本来カバーすべき分野への対応も含め、議論の継続を訴えました。
令和6(2024)年11月19日
(きゆな智子)
法定外目的税(宿泊税)について、検討会が「税率2%」「上限2000円」の方針を決定しました。この数字の根拠を伺います。
(総務部長)
学識経験者、宿泊事業者等で構成される観光目的税検討委員会において、税率は定率とし、宿泊者の税負担が著しく過重とならないための方策として、税額に一定の上限額を設けることで意見の一致を見ました。具体的な税率は、税収入を必要とする財政需要額を確保する手段として、その範囲内での税収となるよう定めることとなりますので、財政需要額が76億円であることを踏まえて2%とし、上限額については、既に宿泊税を導入している地方公共団体の最高額である2000円で設定することで、意見が取りまとめられたところです。
(きゆな智子)
こうした観光目的税の使途内容は、観光客から高く評価される沖縄の自然環境の保護や平和学習の発展に寄与し、オーバーツーリズム問題に対処するためにも重要であり、財政需要額にも関わると考えますが、試算段階でどのように検討したのでしょうか。
(文化観光スポーツ部長)
観光目的税は、安全・安心で快適な観光の実現、県民・観光客双方にとって満足度の高い受入れ体制の充実強化、観光地における環境及び良好な景観の保全並びに魅力ある付加価値の高い観光地ブランドづくり、観光の振興に通じる文化芸術の継承及び発展並びにスポーツ振興などの、新規または拡充する取組に活用することを想定しております。これらの取組により、県民・観光客・県内事業者それぞれの満足度を最大限に高めながら、世界から選ばれる持続可能な観光地の実現を目指してまいります。
(きゆな智子)
観光目的税は、県民、特に離島島民は課税対象外にするべきではないかと思いますが、いかがですか。
(総務部長)
租税の基本原則に、公平の原則があります。課税免除は「税負担の公平」と「課税しないことによる社会一般の利益」とを比較検討し、公益上の事由がある場合に行うことができるとされております。その判断に当たっては、税法上限定的に解釈されていることから、慎重に検討する必要があります。観光目的税検討委員会では、県民の課税免除を求める意見がある一方で、「県民と県民以外の観光客を区別することは、税の公平性や法の下の平等に反するおそれがある」との指摘がありました。現段階では、税の公平性の観点を上回る「県民の課税免除による公益上の事由」を整理することは難しいと考えております。そのため検討委員会において、修学旅行生及びその引率者を課税免除とすることで意見が取りまとめられたところです。
(きゆな智子)
観光目的税については、本当にいろいろな方から「この制度で始めて本当にいいのか」という心配、それから不満の声しか届いていません。それでも、県全体で一律で税を始めるというところに意義を見いだしたいと思っております。それでもやはり財政需要額の算定、必要な分野に関してきちんとカバーできていないんじゃないかという指摘はさせてください。今日の紙面でも、「修学旅行生来年11%減」という数字が出ておりました。こういったところも本来は観光税でカバーできるのではないかという部分もあります。こうした点も含めて、観光税の議論は今後も続けさせていただきたいと思います。
※読みやすいように主旨を変えず略したりした箇所があります。