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沖縄県内部統制制度の今後について

令和6(2024)年2月22日
第1回沖縄県議会定例会
代表質問


内部統制について


(智子) 昨今の県による不適切な事務処理が続いた中、内部統制総点検報告書の取りまとめと報告まで、自ら総括した県の対応をねぎらいたいと思います。今後の対応として、意識改革、コンプライアンス会議の設置、エキスパート職員の配置、チェック体制の強化、外部専門家による検証が挙げられております。
報告書から、職員の取組は推測できますが、三役それから部長の役割については読み取りにくい部分がありましたので認識を伺います。


(総務部長) 内部統制上の三役、部長の役割についてお答えいたします。
 県における事務の管理及び執行が法令に適合し、かつ適正に行われることを確保するとともに、その取組を全庁的に共有させるため、知事を本部長として内部統制推進本部を設置しております。また、副知事は副本部長、各部等の長は本部員となっており、重大事案に係る情報共有とともに、全庁的な再発防止の徹底を図る役割を担っています。
今回の総点検結果を踏まえ、各所属内の報告・連絡・相談の徹底、組織体制強化と会計専門人材の育成、新財務会計システムによるチェック機能強化等の対応を進めることで、不適切事案の発生を未然に防止し、知事等三役を先頭に公務の遂行に対する信頼回復に努めてまいります。


(智子) 知事を対策の本部長として、副知事が副本部長として務めると。「報連相(ほう・れん・そう)」の徹底など、[部局]組織同士でのコミュニケーションを円滑にすることが趣旨になってくるのかなとは思います。
この報告書を見ると、よくそれぞれの不適切な事務処理について細かく振り返りをしてしっかりまとめたと、職員の皆さんをねぎらいたい。今後、どこでミスが起こったかということの経験、部局を超えたノウハウの共有にもなります。今後重大事案のミスは起きてほしくはないですが、ぜひ教訓にしていただきたい。
行政での内部統制制度は、恐らく県も参考にしたと思いますが、平成31年度総務省が発行している「地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン」があります。
私も民間企業に勤めていたときに、内部統制を業務で担当したことがありまして、行政の中でどうやってこの仕組みを設計して運用するのか、興味を持っていたところです。そのときに、組織の長の役割として一番大事なことは、私はこの統制環境をしっかりとつくること、組織文化をつくることというところが大事になってくると思っているんですね。
知事はこの内部統制の報告書の内容をご覧になって、県庁の中での業務を進める上での組織文化、どのような点に問題があって、そして今後どのような改善の取組をやっていこう、そのための組織文化をどうつくっていこうとお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。


(総務部長) 今回の総点検報告書の中で、要因を幾つか挙げております。大きく分類しまして3つ。まず、法令遵守しないといけないところではあるんですが、財務に関わる基本原則の理解不足。あるいは法令等に基づく手続の理解、認識不足。いわゆる前例踏襲が原因だったというところも大きな要因として挙げているところで、この辺りをまた改めて徹底して改善していかなければいけないというふうに認識しているところでございます。


(智子) 法令の遵守、それからルールをしっかりと理解し学ぶこと、これは最低限のことで、経験を積んだり、いろいろな部署を経験することでできると思うんです。
問題はこの前例踏襲の部分ですね。これは内部統制では実はあまり改善されないんじゃないかと心配をしています。
よくお役所仕事という言葉があるように、前の人がやっているから、それから今までやったことがないからやらないと。検討しますというのは行政ではよくあることですし、不正を防いだり、不適切な事務処理を防ぐための内部統制がどれだけなじむか気にはなっています。ただ、それでも沖縄県らしいやり方で前例踏襲を何とか乗り越えていくというような組織文化はぜひ知事を筆頭につくっていただきたいところですけれども、知事いかがでしょうか。新しい組織文化を庁内でつくることへの決意をお願いいたします。


(玉城デニー知事) この今回の内部統制の総点検報告書からやはり浮かび上がってくることは、長年続けられてきたことに対してどのように改革をしていくかという、これはもうどこの組織でもある問題意識が改めて明らかになったということだと思います。
ただし、沖縄県においては、やはりその公金を取り扱うという事業、それから国に申請を行うという事業などなど、そのような前例を踏襲した結果、そこで忘失されていたこと、失念されていたことまでチェックが効いていなかったというようなことも含めますと、やはり我々が――私はもともと民間から選挙で選ばれて行政に入っている人間ですので、民間ではこれでは通用しないというようなことも含めて職員の皆さんが意識をやはりしっかりと持っていただくということ、誰のためにどのような点検をやり、お互いにその報告をし、問題点を共有していくかということが必要だということを常に意識をすることも大事だと思っております。
ですから、そういうことも含めて財務会計システムの導入等も併せた新しい手法も取り入れて、ぜひ職員の皆さんがしっかりとお互いの連携が取れるような、そういう組織をつくっていくことが必要だと、大事だと思っておりますし、そのためにまた私も職員の皆さんとコミュニケーションをしっかり取りながら公務に邁進できる環境をつくっていきたいと思います。


参考:沖縄県ホームページ
内部統制基本方針、実施要綱、実施体制、総点検報告書、各年度の内部統制評価報告書など
https://www.pref.okinawa.jp/kensei/gyosei/1014355/1014356.html