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労働者協同組合による沖縄振興を

令和5年第4回定例会 一般質問
2023年12月12日
「労働者協同組合による沖縄振興を」


株式会社、合同会社、NPO法人、一般社団法人など、日本社会には多くの法人格・事業体があります。そこに新たに「労働者協同組合」が加わりました。
組合員が自ら出資し、組合法人を設立し、みなが対等に運営・経営に携わる仕組みです。


○働く人たちが出資し、出資額にかかわらず、一人一個の議決権と選挙権を有する
○労働者派遣業を除く業種について幅広く組合の設立が可能


このような特徴を持つ労働者協同組合の仕組みを、沖縄でも地域振興に活かしたいと、質疑を行っています。


(喜友名 智子) 労働者協同組合による沖縄振興の可能性についてお伺いします。


(商工労働部長) 労働者協同組合は、令和4年10月に創設された法人制度で、出資した組合委員が平等に経営へ参加し、共同して労働することで、持続可能な地域社会の実現を目的とするものです。また、同組合は、地域の様々な課題に主体的に関わることが期待されており、その取り組みが県内各地域②広がることは、新・沖縄21世紀ビジョン基本計画が目指す「心豊かで安全・安心に暮らせる島」の実現にもつながるものと考えております。


(喜友名 智子) この労働者協同組合において、県の関連予算はいかがでしょうか。


(商工労働部長) 労働者協同組合に関する令和5年度の予算は、設立届出や説明会に係る旅費及び需用費として29万2,000円、周知に係る役務費として2万8,000円、合計で32万円を計上しているところです。


(喜友名 智子) 先ほどの[※恐竜テーマパーク]700億円という金額を聞いた後に32万円と聞くと、同じ経済分野でも違いがあるな、と思います。どちらがいい、悪いではなくて、こういったいろいろな経済がしっかりと沖縄で根付く大切さを県には意識をしていただきたいんです。
労働者協同組合の仕組みと、巨大テーマパークのようないわゆる企業の資本ビジネスと、この一番の違いを県ではどうお考えですか。


(商工労働部長) 労働者協同組合は、出資した組合員が協同して労働し事業を行う新しい組織です。県としては、介護や子育てなどの様々な地域の課題に組合が主体的に関わることで持続可能である地域社会の実現に寄与するものと考えています。今後、多様な分野で数多くの組合が設立されるよう、他自治体の先進事例を参考にしながら市町村や関係団体と連携して周知啓発に努めていきたいと考えています。


(喜友名 智子) 会社経営の資本では、出資割合に応じて発言力や議決権があります。しかし労働者協同組合はあくまで1人1票と対等に事業に参画するところがこれまでとは違う[事業帯・法人としての]仕組みです。今回の北部テーマパークのスキームを見て面白いと思ったのは、地元の沖縄でも事業者や個人が専用のファンドを組んで参画している点です。しかし資本を持っている方たちのみが利益を受けるにとどまる側面があります。それとは異なる、労働者協同組合のような、地域に根付いた問題解決に取り組もうという経済事業体、双方とも県で同じようにコミットしてほしいのですが、いかがでしょうか。


(商工労働部長) 一部繰り返しになりますが、労働者協同組合は、出資した組合員が平等に経営に参加し、協同して労働することで持続可能な地域社会の実現を目指す、目的とするところです。一方、先ほどあった北部テーマパークに関しましても、地域振興に大きく寄与することが期待されていますので、この両者をどのような感じで関連づけながら取り組んでいけるかに関しては、今後研究を続けていきたいと考えております。


[参考]
○厚生労働省 特設サイト
知りたい!労働者協同組合法

○かりまた共働組合について
働き手が自ら出資、メンバーは漁師や主婦 沖縄初の「労働者協同組合」が設立
宮古島市・狩俣 給食、送迎…地域の課題を事業化
【琉球新報 2023.02.01】

沖縄県宮古島市 かりまた共働組合 【日本労協新聞 2023.02.15】