令和5年9月定例会・一般質問
(喜友名 智子) 障害児保育に必要な保育士加配について、県内の現状と課題を伺います。
(子ども生活福祉部長) 障害児保育に対する保育士の加配は、地方交付税を財源に各市町村において実施しており、令和4年度は県内1827人の障害児に対し、834人が配置されています。障害児保育は必要な財源確保と適切な職員配置が課題となっています。そのため県では、全国知事会を通じて、国に対し障害児支援に必要な職員配置に対する制度的・財政的支援の拡充を要望しています。
(喜友名 智子) この件について私立保育連盟から陳情1件が提出されています。
国の予算が400億→800億円に増えましたが、児童1人あたり年間どれくらいの予算が手当されていますか。
[質問メモ] 障がい児保育の保育士加配
昭和49年度:障がい児保育の保育士加配へ予算補助がはじまった。
平和15年度:地方交付税措置となり、市町村の一般財源へ
平成19年度:中度・重度障がい児、発達障がい、軽度障がい児へ対象拡大
平成30年:国の予算が400億→800億円に増えたものの、「保育園現場に還元されていないのでは」「市町村に通達を出してほしい」という陳情です。
(子ども生活福祉部長) 障がい児保育2名に対し保育士1名の配置を標準としつつ、障がいのある子どもを状況について適切に職員を配置できるよう、保育所で受入れている障がい児1人あたり150万9000円を地方交付税として措置されています。
(喜友名 智子) そうすると、保育園・幼稚園は障がい児のお子さんを1人預かると、年間150万、月額12万円くらいを想定するわけです。実際には市町村ごとに差があるようだが、県では予算措置の実態をどう把握していますか。
(子ども生活福祉部長) 県は実態調査を市町村に実施したが、市町村でも交付税の額がわかりにくいと実態を押さえることが非常に難しかった。
県では市町村に対し、障がい児保育に要する経費に係る地方交付税措置を踏まえ、適切な職員配置を行う為、十分な財政支援を講ずるよう通知を行ってきました。
(喜友名 智子) 県の通知を私も拝見しました。「障がい児一人当たり150.9万円を適切な職員配置へ使うこと」という内容になっている。
令和元年の厚生労働省の市町村ごと調査があります。障がいにより違いはあるが、ある市では軽度障がい児一人あたり5万円、他の市では加配保育士一人に月額15万円、また別の市では保育士1で児童1で、保育士一人当たり21.5万円です。
国から同じ金額が交付されているにもかかわらず、市町村ごとに違いがある実態が見えてきます。園からすると「どうして私たちの住むところは加配手当が足りないんだ」と不満が出てきます。さらに障がい児保育をしている保育園は、公立よりも私立保育所が多いんです。こういった点もふまえ、国からの交付税(収入)をきちんと障がい児保育の加配につなげるよう、市町村に通知を再度だしてほしい。
(子ども生活福祉部長) 再度、市町村に対しては地方交付税措置の主旨をふまえ、適切な職員配置を行うための財政支援を講じるように文書を発出したいと思います。
参考:「保育施策充実を求める陳情」第59号 令和5年6月13日付託