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新型コロナウイルス抗原検出用キットの取得について

 県が新型コロナウイルスの抗原検査キットを購入するにあたり、本来は県議会の議決が必要だった契約について、それがなされなかった案件がありました。
 原因は、①検査キットが「消耗品」か「財産」かの判断→1個500円のため「消耗品」と判断したが「財産」扱いが適切だった、②金額が7,000万円以上の契約は県議会の議決が必要とのチェックもれ、の2点でした。
 意図的な悪質性はなかったとはいえ、必要な議会議決を経なかったことは非常に大きな問題です。委員会で事実関係を確認するとともに、今後の業務デジタル化に向けた課題、内部統制や外部監査の必要性を指摘しました。

新型コロナウイルス抗原検出用キットの取得について
(令和4年第6回定例会、文教厚生委員会、2022年10月13日)


(きゆな智子) こういう予算の立て方と契約をするとき、支払いをするときの保健医療部と総務の役割分担がどうなっていたのか。決裁権限がどういうふうに分かれていたのかをお伺いします。
 まず今回この議案3つを出すに至った経緯を教えてください。特に議会の議決を得てなかったということがどの段階で誰がどう気づいたのかをお聞かせください。

(保健医療部長) 今回14号議案の最初の25万回分につきましては納品、それから支払いも全て済んでおりまして、結果的にはこれも有効な契約ではないが、支出も済ませている。
 そして2回目の購入は、8月2日、執行伺い、それから納品が先になってしまうということが起きたんですけれども、納品を完了してその支出のときに8月31日に支払いをする予定でした。出納事務局から「この金額は議会の議決を得る必要があるのではないか」と指摘があり、確認をしたらそのような状況でありましたので、そこの2回目の支払いはまだ行っていないという状況であります。
 同様に3回目の手続も進めていたが、こちらもまだ契約を結んでおりませんでしたので、こちらは少し後になりますが9月15日に仮契約という形で今止まっている状況です。従って、保健医療部の中で執行伺を行った後に会計課のほうでチェックをしていただいて、この2回目のときに指摘されたという経緯です。

(きゆな智子) 会計課が1回目の支払いは議会の議決がなかったと気づかないでそのまま支払いを行い、2回目で気づいたと。この違いは何だったんでしょうか。担当者は一緒でしたか。

(ワクチン・検査推進課長) 会計課の担当者は一緒だったと思うんですけど、1回目については支払いの期限も結構迫っていたということで書類を持ち回りという形で口頭で説明する中で、なかなか会計課のほうも審査する時間がなくて―急ぎということで会計課を通ってしまったというところが一つあるのかなと思っています。

(きゆな智子) 1回目も2回目も決裁者も同じですか。

(ワクチン・検査推進課長) はい、同じです。

(きゆな智子) 今回は保健医療部がこれだけの予算が必要ですということを予算書なり議案を作って、その契約書を会計課に回したと。これ最終的に議会の議決が必要だと判断する部署は、会計のほうではないかと思うんですけれども、県の規定ではどうなっているんでしょうか。

(保健医療部長) 担当部局のほうで議会の議決が必要であれば、相手方と金額について一旦議会に出して、それで議決を得て手続きに入る形になっております。
 もちろん、そのルートの中に会計管理者が最後にいますのでチェックをするという役割はあると思うのですが、あくまでも担当部局のほうが議案として出す形で主体的に動くべきだというふうに考えております。

(きゆな智子) 今回の件はまず、消耗品なのか財産なのかというところで判断が分かれたという点と、金額についても単価が500円だったから「消耗品」と思ってしまった。だけど金額総額で見ると「財産」じゃないかと。
 この辺の判断、消耗品・財産、それから議会の議決が必要な金額7000万というところがチェックの担当がグレーゾーンになっていないでしょうか。今回のこの3つの議案を出されて、それぞれ会計の費目、それから金額について議会の議決が必要であると判断するのは今の規定上どの部署が適切なんでしょうか。

(保健医療部長) やはり担当部局のほうで―もちろん総務部のアドバイスなども受けながら、それから弁護士の方に法律相談を行いまして、やはりこれは議決が必要であると、3つともそれぞれパターンが少しずつ違うんですけれども、全て議決を得て正式に有効な契約とする必要があるというアドバイスがありました。繰り返しますけど、主体的には担当部局のほうでそういう調整を行うと考えています。

(きゆな智子) 今なぜこのような質問をしているかというと、今後こういう人的なミスを防ぐためにDX化のプロセスにのせようという話が出てくると思います。こういう会計処理、事務処理をデジタル化するというのは確かに効率化につながるんですよね。
 ただ担当者、あるいはその人間のプロセスの理解が間違っている、理解が未熟であるという場合には、その担当者、あるいは部局の理解のレベルがそのままデジタル化されてしまうので、間違った認識がそのまま自動処理されてしまう可能性のほうが高い。そのリスクを考えると今回が会計費目のミスだったのか、金額のミスだったのか、そういった点もチェックした上で再発防止をぜひ考えていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

(保健医療部長) これは内部統制で全庁で共有をされ、総務部ともまた調整をします。今の視点―この費目のほうで消耗品費に該当する、ただ総額としては7000万を超えるというふうな取扱いについても、定義をはっきりしないと迷ってみんなあやふやな形になるというところが、また再発につながる可能性がありますので、そういうところを議論して改善していきたいと思います。

(きゆな智子) 今おっしゃっていただいた内部統制推進本部、実は次の質問で聞こうと思っていました。この件、今取り上げたということですが、いつの会議で取り上げたか教えてください。

(保健医療部長) 内部統制につきましては9月27日に行われた内部統制の会議で議論をしている状況です。

(きゆな智子) 課長級の職員で構成されているという理解ではありますけれども、ぜひ決裁権限持った方ともしっかり共有をして、誰が最終的に議会の議決が要るのか要らないかという判断をするのか、課長級以上でしっかり責任を持って判断できるような内部統制の議論をしていただきたいと思います。

あと最後にもう一つ。内部統制以外にも県では包括外部監査という仕組みで、県、あるいは議会の組織の事務のチェックをしていると思います。今回の件、包括外部監査の対象になるかどうかの議論はあるんでしょうか。

(保健医療部長) まず時期的なものについては今年度の事案になりますので、来年度の監査に上げられるかと思います。包括外部監査のテーマにつきましては今確認したら毎年その委員の方が自由にといいますか、決定するということですので、それによってになると思います。かなり大きな事案ですので、そういう監査も含めた形で来年またしっかりと説明をすることになるかと思います。

(きゆな智子) 過去の包括外部監査のテーマを見ると、いろんな部局を毎年委員の方々が適切に選択をして行っています。保健医療部に関しては、もうコロナ禍でかなり通常の業務とは異なる規模の予算、あるいは事務の運営等々行っています。
 今はコロナが比較的落ち着いている時期ではありますけれども、ほぼ二、三年たった段階で外部監査の目を入れてチェックをするのも一つのミス防止の観点として必要と思います。ぜひご検討いただきたいと要望して質問を終わります。
 ありがとうございました。

議事録 → https://www2.pref.okinawa.jp/oki/bunkyoukousei.nsf
※HPへの掲載にあたり、読みやすいよう一部編集しています。