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「こども未来部」新設について~男女共同参画と女性の福祉の視点から

県は2024年3月から、子ども・若者・女性政策の3分野を統合する「こども未来部」設置の検討を進めています。国「子ども家庭庁」発足に伴うもので、子ども関連施策が充実することを期待しています。

一方、「男女共同参画推進」をこの部に入れることで取り組みが埋もれないかという懸念の声を受け、部局編成の意図を質問しました。


令和5年第4回 定例会
本会議一般質問
2023.12.12


(喜友名 智子)こども未来部の新設に伴い、女性の福祉と男女共同参画に関する業務について県の考えを伺います。


(子ども生活福祉部長)県では、子ども、若者及び女性に関する施策をより一層推進する体制整備をするために、沖縄県部等設置条例の改正において、こども未来部の新設について提案をしています。
こども未来部においては、第6次沖縄県男女共同参画計画に基づき、あらゆる分野の政策・方針決定過程への女性のさらなる参画、男女の育児休業取得の促進など、性別に関わりなく個性や能力を十分に発揮できるジェンダー平等の実現を目指して、引き続き取り組んでまいります。
また、来年4月に施行される困難な問題を抱える女性の支援に関する法律に基づきまして、女性の福祉の増進等の充実を図るため、女性に関する施策を集中的に取り組んでまいりたいと考えております。


(喜友名 智子)子ども、若者、女性政策と、この3つの分野を統合する目的、一緒に同じ部で対応する考え方について詳しく教えてください。
この3者を同じ部で対応するのが次年度の(部)編成になっています。しかし女性の福祉も子ども未来部に含めると、このまま育児・子育てがあいかわらず「女性が担うもの」という意識まで引き継がれないか、そこを懸念しています。男女共同参画推進については、知事公室に入れるほうが適切ではないかと思いますがいかがでしょうか。


(子ども生活福祉部長)県ではこれまで5次にわたる男女共同参画計画の下、家庭、職場、地域、社会全体における男女共同参画の推進について取り組んできたところです。
男女共同参画に対する県民の理解は深まりつつありますが、依然として県民意識における男女の不平等感は高い状況があり、根強い性別による固定的役割、分断意識、無意識の思い込みが存在していると考えています。
子ども、若者、女性に関する施策を総合的に推進をしていくための組織再編として今回提案をさせていただいたもので、引き続きジェンダー平等に関する県民の意識改革等に取り組んでまいりたいと考えています。


(喜友名 智子)この点、懸念する女性団体の方、関係者の方もいますので、ぜひ県の意図はしっかりと伝えていただくようお願いをいたします。
次にこども未来部での女性支援政策と生活福祉部での福祉支援、この中には当然女性の世帯、母子世帯も含まれると思います。どう役割分担をしていく予定ですか。


(子ども生活福祉部長)生活福祉部では、年齢や性別などに関わらず、すべての県民が安心して暮らせる地域社会を目指して、社会福祉及び社会保障に関することに取り組んでいくこととしています。
こども未来部では、子ども、若者、女性を対象に様々な施策に取り組んでいくということで、ひとり親世帯に対してもこども未来部で所管をすることで考えています。


(喜友名 智子)このこども未来部は、国のこども家庭庁と足並みをそろえた編成であると理解をしています。私は、本来はこども家庭庁も「こども庁」にすべきだったと考えます。国のほうが「家庭」をいれることにこだわったと、子育ては子育て家庭の自己責任だという考えがまだ透けて見えます。子育て、それから子どもに対する公的予算は、まだまだ増やす必要があります。県は国の [子育ては家庭の自己責任という] 時代にそぐわない考えには引っ張られないよう要望します。