令和5年度2月定例会 一般質問 2023.03.01
沖縄県母子寡婦会からの要望で、「18-19歳の子どもがいるひとり親世帯への医療費助成延長」に取り組んでいます。
「子どもが18歳になり、進学でお金がかかる時期に医療費助成が途切れて、急に家計負担が重くなる」「親の自分が病気になれば子どもが働きにくくなりヤングケアラーにならないか」との不安の声。
市町村との実態調査を行い、必要な予算を県で助成延長できるよう、質疑・提案を続けています。
今回の質疑では、県からこの認識を確認できました。
18-19歳の子どもがいるひとり親世帯への医療費助成延長が、知事の重要施策「「社会人としてスタートした18歳から20代半ばまでの若年者に対するファーストステージ支援等」に含まれる。
県「ひとり親世帯等実態調査」で、母子世帯の「健康不安」についてさらにアンケート項目を設けるよう検討する。
(本会議後の文教厚生委員会で) 県が医療費助成延長の必要性を市町村に問い合わせ、5市町村が必要と回答した。
(子ども生活福祉部長) 18歳から20歳半ばまでの若年者に対するファーストステージ支援については、何らかのハンデによって社会人としてスタートラインに立てない方や、社会人としてスタートしたものの、つまづいてしまった方など、困難な問題を抱える若年者に対して必要な支援を行うこととしております。ひとり親家庭で育った若年者のファーストステージについても支援してまいります。
(きゆな智子)昨年の議会でも母子寡婦法の子どもの定義について、他の法律とは違った規定があると質問をしました。改めて、この法律での子どもの定義、二十歳未満となっていることについて県の認識を伺います。
(子ども生活福祉部長) 母子父子寡婦福祉法においては、今議員おっしゃられたように、児童は二十歳未満と定められています。ひとり親家庭等における児童の範囲が、通常の児童福祉法等に比べて広くとられています。これについては、ひとり親の性質を勘案してのものと理解しています。これについては、国にも照会してみましたが、明確な回答は得られていません。
(きゆな智子) 前回の議会では、この件を、母子寡婦世帯への医療費助成の延長が必要ではないかとおたずねしました。そのときは医療費助成の事業については、市町村が実施主体となる、連携し検討していきたいという答弁でした。
ただ、知事の重要施策で子どもたち、「若年者のファーストステージの支援」が入っています。これを母子寡婦法の理念と照らし合わせて、ぜひこれを実現する事業を県でも新たに始めていただきたいんです。
県では母子父子寡婦福祉資金の貸付金がありますね。この中で医療・介護についても貸付があります。ただ、これは無利子だと子どもが連帯保証人となり、利子があると保証人なしで借りる仕組みになっています。18歳、19歳と進学をしなくて就職をすれば、働きに出る年の子どもがこのタイミングで親御さんが病気になり、無利子だとしても保証人になってお金を借りるという。これは知事の言う「若年者のファーストステージ支援」とは逆の方向ではないでしょうか。その点、認識いかがでしょうか。
(子ども生活福祉部長) 先ほど答弁した通り、ファーストステージ支援は、社会に出るにあたって困難をしている方、スタートしたけれども何らかの事情でつまづいてしまった方、困難を抱える方についての支援という趣旨です。このひとり親家庭でのお子さんについても、困難を抱えるということでしたらファーストステージ支援対象にはなると考えております。
(きゆな智子) ひとつ、可能性が進んだ気がします。
厚生労働省のアンケート調査を紹介します。平成28年ですが、ひとり親本人が困っていることがアンケート項目にあります。
父子世帯の上位3つは、1家計、2家事、3仕事、の順に困っている。
一方、母子世帯では、1家計、2仕事、3自分の健康が困りごととして出てきているんです。シングルマザーの困っていることの3番目が自らの健康であると。
これはひいては母子寡婦世帯のお子さんにとっては、リスク要因であろうと考えます。
次年度、県もひとり親調査を行いますが、ここを掘り下げた形で調査項目にいれていただけないか、検討の余地はありますか。
(子ども生活福祉部長) 調査項目については、これから検討をします。
(きゆな智子) 18歳、19歳の多くは高校を卒業して、進学したり就職する時期です。このタイミングで、万が一、親が体調を崩す、それによって医療費負担が増える。ここで借金をしたまま借金を抱えて社会に出てしまうと、その時点で社会に出たファーストステージでハンデを抱えてしまうと言っていいと私は考えています。
自立しようとするときの負担を少しでも減らすために、母子父子寡婦福祉法の趣旨を、ぜひ、医療費助成の形で、県で実現に向けて動いてもらいたいと要望いたします。