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沖縄県知事選立候補者への薬きょう投げつけ事案について


※報道では匿名となっていますが、ご本人がSNSで明らかにしているため文中にお名前を記載しました。

*関連報道記事(リンク)



抗議のやり方には賛同できない

選挙運動の妨害という意味で、彼女の行動は許されることではありません。
選挙では、安心して落ち着いて、有権者に訴える場をつくることが何より大事だからです。
それを通じて、有権者が各立候補者の考え、人となりを直接見聞きして、投票先を判断する。最も重要な選挙活動である街頭演説を妨害することは、選挙活動を行う立場である私には容認できません。

今回の事案については、警察には「薬きょうを投げつけた」行為、その入手経路や本人の考えを取り調べで明らかにし、対処してほしいと考えます。

安倍晋三氏銃殺事件の後、私も沖縄を訪問する党代表や国会議員に同行する日程が続いています。そのたびに県警と警備の打ち合わせをしていますが、これまで以上に人数も増え、制服警官も配備され、配置の位置も具体的に調整するなど、県警が非常に気を遣っていることを、直に知っています。他人事ではありません。

なお、警察・司法関係の複数の方に聞いてみたところ、一般論でいうと、薬きょう投げつけは、つばを吐きつける・石を投げる・卵を投げつける、などと同等の扱いではないか。銃弾のような“危険物”を所持したり使ったりすることと同じになるかは、今後の捜査が明らかにならないと、現段階では判断が難しい、との見解を聞きました。


宮城秋乃さんの環境活動まで否定してはならない

同時に「彼女の言うことはわかるけど、やり方がおかしい」と、「やり方」のおかしさだけ声高に主張することにも、距離を置きたいと考えます。

宮城秋乃さんのこれまでの活動を見ているならば、薬きょうを投げることで人を傷つけたり、ましてや人を殺す意図があったととらえるのは、悪意曲解が過ぎるのではなないでしょうか。
彼女のこれまでの活動を見ると、米国から返還された北部訓練場において自然環境の現状回復が行われていないこと、それに対して米軍・米国政府・日本政府の誰も何ら対応せず責任を果たしていないこと、世界自然遺産に登録したことをもってこの問題が忘れ去られてしまうことへの抗議である、と推測できるからです。

その状態を放置しているのは日本政府であり、それを動かせない政治の責任です。
彼女が今回のような抗議をするまでにさせた、私自身も含めた政治の責任を自覚したいと考えます。


北部訓練場跡地含む、ヤンバル世界自然遺産に森を守り維持する“沖縄環境レンジャー”の創設を”

私は宮城さんと直接お話したことはありませんが、彼女の抗議活動が県警沙汰で報道されるたび、県警への聞き取りを重ねています。
その中で理解したのは、県警は通報への対応・取り調べ・捜査は行いますが、米軍基地・跡地が関係することには、沖縄防衛局の責任と役割が非常に大きいということです。
(加えて、返還された跡地利用に沖縄県が積極的に関わるべきとの観点から、県の役割と責任も同様に大きいと考えています)

これと並行して、ヤンバルの森が世界自然遺産に登録されたことを契機に、北部訓練場の現状回復と、ヤンバルの森を調査し守り維持する“ヤンバル環境レンジャー”を、沖縄での新たな仕事・雇用として創出できないか、試行錯誤の調査を続けています。
急な斜面で滑落する可能性もある山の中で、不発弾、放射性物質、有毒化学物質などを拾い集める活動は、本来ボランティアで行われていいものではないからです。
(海に関しては、国立公園になった慶良間諸島では海洋ゴミ回収で同じ“海洋環境レンジャー”をつくりたい)

まだアイデア段階で生煮えなので、このテーマに関心を持っていることは近しい人にしか話したことがありませんが、今回の事案を受け、抗議表明だけでは根本の解決にならないのではないかと考え、記載しました。