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2021年を迎えて

謹賀新年
旧年中は、今までの人生の中で最も多くの方に支えていただいた1年となりました。
改めて感謝申し上げます。
沖縄に生きる私たちの暮らしと社会を少しでも良くし、また善い未来に向かうよう、県議会議員としてできることに、一つでも多く取り組んでいきます。

2020年6月25日の任期開始から半年が過ぎ、この間に3回の定例会と1回の臨時会がありました。まず初めての議会活動に慣れながら、公約に掲げた政策の実現にどのように取り組むか、議会内や県当局との関係づくりを始めた期間でした。
会派は「てぃーだネット(立憲、ニヌファ、無所属)」に所属し、7名で活動しています。コロナ禍で思うような視察・現地調査ができなかった部分もありますが、できる限り、現場を見て話を聞き県政に反映させる姿勢に変わりはありません。

今年は「沖縄21世紀ビジョン」の最終年度であり、次期沖縄振興計画に向けた議論がもっと行われるべきでした。コロナ禍にあったとはいえ、県議会での議論が不十分だったことは否めません。今年はもっとアグレッシブに議論を展開し、次の10年につなげていきたいです。

県議会議員としての最初の半年、主な取り組みをご報告します。

1)子どもの貧困対策、ひとり親世帯支援、保育園や学校教育

文教厚生委員会に所属し、福祉・保育・教育・医療の分野が県議会活動の中心です。まだ非正規が多く賃金に課題がある保育士の待遇改善、長時間労働が問題になっている教員の働き方改革、一人で世帯を支え子育ても担うひとり親家庭への支援は、関係組織や支援団体への聞き取り、個別相談を行っています。
 教育・福祉は今の社会で生きることを支えることにとどまらず、未来の沖縄に向けた「投資」です。しっかりと取り組んでまいります。

2)食と農の安全に向けた「沖縄版生物多様性種子条例(仮)」制定

国による種子法廃止、種苗法改正、農業競争力推進法の影響による、食と農の安全への影響を懸念し、全国で22道府県(2020年末現在)が地域独自の種子条例を制定しています。
私は県議会の一般質問・代表質問で「沖縄県も条例制定するべき」と毎回取り上げ、徐々に前向きな答弁が出てくるようになりました。また、沖縄でこの問題に取り組む「沖縄の食と農の安全を守る連絡協議会」と共に県知事に県民からの署名を手交し、知事からも「必要な条例だ」との反応を得ています。その後も、県当局と意見交換を続けています。
その結果、担当部にワーキングチームができ、他府県の条例調査や、県内の関係団体へアンケート調査を行うまでになりました。県民との協働で、県も一緒になって進んでいる手ごたえを感じています。

3)「ヘイトスピーチ規制条例(仮)」制定

那覇市役所前で差別煽動活動を止めようとカウンター活動を続ける県民から、県議会へ禁止条例を制定するよう陳情がありました。健全な言論ができる環境は、私たちの社会にとって必須です。所属する文教厚生委員会にて、条例制定が必要だとの立場で発言を続けています。この問題も県担当課への情報提供や働きかけを続け、制定に向けた他府県の状況調査を開始する結果につながっています。カウンター活動に参加する県民からは「観光立県の沖縄だからこそ、ヘイトスピーチをさせないという姿勢をしっかり見せてほしい」との声を何度もいただいています。

残念ながら新型コロナウイルスが終息しないまま新しい年となり、三蜜を避けた行動など制約のある仕事や暮らしがまだ続いています。島嶼地域である沖縄は医療資源にも限りがあります。また沖縄経済を支える観光業や飲食業、関連業界も苦しい状況が続き、働く人たちの苦境も続いています。医療体制を守り、雇用も底支えすることが、県政の最優先課題です。

先述した「沖縄21世紀ビジョン」は2030年頃の将来像に向け実施されてきました。
2020年の新型コロナの発生は、次の10年に向け「どんな沖縄を目指すのか」「そのための計画をどうつくるか」を根本的に見直す契機としなくてはいけません。
基本理念に掲げる「人権尊重」「共生の精神」「時代を切り拓く」「世界と交流」「ともに支えあう平和で豊かな沖縄の創造」の実現目標は変わらず、しかしその道筋や手段が、改めて問われているのだと考えます。

今年も県民とともに、議員活動に取り組んでまいります。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

2021年1月7日
沖縄県議会議員 喜友名 智子